早いわけではないけど激的な変化

天津にいてそろそろ1年になりますが、この1年だけでもずいぶん変わりました。
特に道は本当に変わりました。1年前の地図はすでに役に立ちません。
交差点で車が我先にと飛び出し、追い越し追い越されする中を自転車がまるで秋の落ち葉みたいにひらひらと隙間を縫って進む、みたいなちょっとしたカオスは高架道路が次々と完成したおかげで消えていきました。
区画整理も進み、1年前にあった建物で今はもう無いものも少なくありません。
毎晩食事をしていた24時間営業のラーメン屋がある日夜店を閉めていたので「おかしいなぁ」と首をかしげていましたが、その次の日には解体されてなくなっていました。聞くところによれば渋滞緩和のために道を広げるからつぶしたとのことです。


確かに高架道路はできたし、道も変わったし、建物もずいぶん解体されたし、いろいろ変わってはいるのだけど、イマイチ変化にスピード感を感じないんです。のろい印象がとにかく付きまとうんです。
ひとつは中国の工事現場の光景にあると思います。
中国の工事はほぼ人力で作業が進みます。竹で足場を組み、縄と袋で資材を運び、人がスコップやハンマーのような電気を使わない工具で作業を進めています。工事現場の作業員の人数は日本の日では無いくらい多いです。でも、それでも人力で進めているせいかとっても遅いです。
うちの会社の入っているビル、1年間改装工事をしています。すべて人力で。まだ終わってない…
もうひとつは工事への投資、資金の問題があります。
商社の方から聞いたのですが、中国の人は資金が手に入るととりあえず建設を始めるそうです。
で、資金が足りなくなったり、ほかの事に使う必要が出てきたりすると建設を一時ストップします。ストップしたまま方っておかれることもしばしばです。こうして建設中のまま風雨にさらされているつくりかけのビルが天津のあちこちにあります。うちの会社のビルのはす向いにある建設中のビルはもう1年間「建設中」のままです。
「やっぱやめた」「ちょっとまって」「またあとで」「やっぱやろう」と意思がころころ変わるのでビルの建設はスムーズには行かず結果として時間がかかってしまいます。


これからオリンピックに向けて天津ものろのろと変わっていくんだろうと思います。
一つ一つの変化のスピードはゆっくりですが、一度にたくさんの場所で変化が起きているせいか、結果として劇的な変化をもたらしています。2年後くらいに天津にきたらきっとどこがどこだか分からないくらい変わってしまっているんだろうなぁ、と思います。
日本に帰ってから少し間をおいて中国に来て、その変化っぷりを見るのをいまから楽しみにしてます。