ペダルの無い自転車

事故が多い、という理由で天津市内にはバイクの乗り入れが禁止されて
いるらしく、街でバイクは見かけない。その代わり天津にはペダルの無い
自転車?がある。
ほんとは自転車ではないんだけど「これは自転車だよ」、と紹介されたの
でずっとそう思ってた。


「電動車」と呼ばれる電機で動くスクーターがある。外見は日本のスクータ
ーそのもので、最高時速は時速40kmくらい。
中国の道路は大きな道路では人、車、自転車に車線がちゃんと分かれて
いて、電動車は自転車と同じ場所を走るので、いくらスクーターの形をして
いても扱いとしては自転車の部類になるのかもしれない。


天津でバイクが禁止になってその代わりに日の目を見たのが電動車。
電動車はバイクの形をしているが、エンジンも無いし、燃料も違うのでバイ
クではないという理屈。
バイクの代わりに急速に広まったそうな。


電動車の動力はモーター、したがって電力が必要なのだが、その電力は家、
又は会社のコンセントで充電してしまうらしい。バッテリーだけはずすことが
出来るので、それをもって会社に来る。で、仕事中にたっぷり充電し、その電
機で家に帰る。バッテリーをはずせば当然動かないので合わせてかぎを掛
けることで盗難防止の効果もあり、人生3度は盗まれる、という天津の自転車
事情にとってみればそういう点でもとても便利らしい。


使っている本人にとって良いことも多いが、走っていて迷惑を掛けない点でも
優れものだと思う。
まず、とっても静か。信号待ちしていたら気づいたら後ろにぴったりつけてたり
脇を通ってもモーターの音しかしないのでとっても静か。
排気ガスも出ないので信号待ちで自分の前に電動車がいても気にならない。


いまや3日に1回バイクが走っているのを見るか見ないかくらいになった天津。
でも、驚くべきことにこのバイク乗り入れ禁止は2006年から施行された条例
であり、それがもうこんな隅々まで浸透している。
凄いことだと思う。
日本でいきなり出来ることだろうか。
「明日から東京、横浜はバイク禁止でっす」
なんて行政が言ったらそれこそ非難ごうごうだろうと思う。
蕎麦屋は出前が出来ず、ハーレー愛好家は東京に入れず、銀蝿も横浜には
これないわけで。


日本でもぜひ日の目を見てほしい商品だと思う。
デザインとかもっと工夫すれば売れると思う。今のままじゃ安っぽいスクーター
なので。あとの課題はスピードと交通ルールかな?コストはどうだろう、5万円
程度といったら安くは無いだろうか。


天津のエコな乗り物たち。お値段はこんな感じ。
自転車 200元〜
補助動力(モーター)付き自転車 800元〜
電動車(ペダルなし) 3000元〜


中国って環境に無頓着なんだか執着しているんだかわからん。
少なくとも行政の力で環境を良くすることが出来る国であることは確かのよう
だけど。