故人に会える道
今日のハイライトは2箇所。熊野川町から本宮町へ抜ける小雲取越という山道、それと熊野本宮大社。山道で多少は苦労をして熊野詣のハイライトである本宮に行こうというロマンチックな計画。
小雲取越
5時50分新宮駅前出発のバスで小口というところまで行く。バスに乗客は僕一人。バスの運転手さんに「折角だから前こいやぁ」と言われ言われるがままに前に座る。それからずっとしゃべりっぱなし。
「山がきれいですね」
「うん、まぁ、そうねぇ」
当り障りの無い会話が続く。
観光バスの運転手を前にやっていたとのこと、横浜にも来たことがあるらしい。高層ビルをみて、「息をのんだ」といわれた。
「どちらかというと緑のきれいさに息をのんだ」と言ったら、
「もう見慣れてなんとも思わない。」
そういうもんか。とふと思った。人は見慣れない物に感動するという方程式があるらしい。
結局小雲取越を歩いていて僕の死んだおじいちゃんには会わなかった。会ったらむしろ怖いが会ってもそれはそれでうれしいのでちょっと期待していた。
途中人に1組だけ会った。徳島からきているおじさんおばさん4人組。フェリーと車で夜中走って来たらしい。一人すごい眠そうな人がいる。たぶん運転手
みかんをくれたりお茶をくれたり、写真とってくれたり優しい人たちだった。ありがとう。生きた人にしか会えなかったけどすごい楽しかった。
歩くこと16キロ(5時間)。京都にかつて京都まであるいて行った時、平均時速5キロで歩いていたことを思い出すととっても遅い。体力の減退を感じた。じじいです。