ハテルマ4日目

  • 波照間郵便局

 朝っぱらからすることも無く、雨も振り、でもとりあえず手紙でも書いておこうと思い、波照間郵便局に向かいました。といってもすぐそこ。自転車で1,2分しかかかりません。自転車をこぎながら
「イチにあうかなぁ、、、」
と思っていたら郵便局の前の曲がり角でばったりと会いました。こうして約束もせずに会えるというのはなんとも懐かしい感じがします。近所の友達にばったり会うようなそんな感じです。
さとうきび畑は雨の日には仕事にならないそうです。やれないことは無いけれども土がぬかるんで、畑の中は暑くて、刈った草は重たくて猛烈につらいことになるそうです。
そんなわけでイチは雨で仕事ができず暇を持て余していたのか、もしくはひまでやることが無い僕を気遣ってくれたのか、僕が手紙を出した後に一緒に遊びに出てくれることになりました。遊びに、といってもすることも無いのでこの前あった人たちに挨拶して回ろう、ということになりました。

  • ごあいさつ

 てつさん、のりさん、モンパの木のおじさん、くまのみのおじさん、に自転車に乗って「またくるよー」とあいさつ回り。おかげで楽しかったもの。挨拶できてほんとうによかったです。とはいえ、この人はココにいるんじゃないか、あそこにいるんじゃないか、というとってもアバウトな探し方。それでもほとんどの人に会うことができました。皆さんを探しがてら島の名所を見たり、急な雨をお店の軒先でしのいだりしながら残り少ない島の時間を楽しんでいました。結局あえなかった人もいたけれど、別に何を約束しなくても島の人には島に来れば会えるから、そんなにあせる必要もないのかな、と。そのくらい島の人たちは人間的に近い距離にいたように思います。

  • 雨宿り

 雨が激しくなってきたのでとりあえず自転車をとばして集落の中心の広場にある公民館に行き、そこの軒下でイチと一緒に雨宿りをしていました。マラソンの話をしたり、一応住所を聞いたりいろいろしていたらまたもやくまのみのおじさんが来て、「もう(挨拶するの)3回目だ」、とか言いながらでも、にこにこしながら1時間くらい話し相手をしてくれました。そのうち公民館のひとも加わって遭難した高校生の話をえんえんとしていました。12時にもなり、出発の時間が近づいたので宿に急ぎました。なにやら有るといって見送りにはいけないけど、といって別れました。このときばかりは心の底から「本当にありがとう」と思いました。
だから
「本当にありがとう」
といったら、
「いやいやおれはなにもしてないから」
といってニコニコしていました。

  • さよなら波照間

 船の時間は12時50分。海は荒れているそうです。でも何とかなるような気もしてそんなに不安は有りませんでした。波照間島を後にしながらああいいところだったなぁ、としみじみかみ締めながらだんだん小さくなるニシ浜の白い砂の色を眺めながら考えていました。島のどの部分を見つめても、その部分部分に思い出が染み付いています。水平線のかなたに消えるまでじーっと見つめていました。