映画みたいなこと

引き続きクレーム対応。相手のスペックは以下の通り。
性別:男
国籍:アメリカ??
住所:東京
職業:「自称」弁護士、コンサル
見た目:ふとめ

荷物にトラブルがあり、そのせいで被った損害50万円を支払え、というもの。交渉は常に穏やかだった。
基本的にそんな要望には沿えないので最終的にはこちらの出来る範囲の補償を提示することになるだろうけど、まずは相手の話を聞くのがクレーム対応、ということで今日は一日出ずっぱりだった。

まずは10時過ぎからお客さんの家で。延々と相手の話を聞く。こちらの主張はまだ確定していない。法規担当が休みらしいので的確な判断が下せていない。(平日に休むなっての)
さらに17時から上司を連れて行く。ただ、会話がすべて英語なのでほとんど自分でしゃべって交渉した。上司とは事前に内容を確認してあったので戸惑いは無かった。
きけばなくなった荷物にはある会社を摘発する情報が入っていたとのこと。荷物に入っていたCDをある情報機関に送り、それを元にある会社を訴えるつもりだった。その情報はある政府のおえらいさんを通じて手に入れたものでとても機密性の高い物。そんな映画みたいな話あるわけが無い。


会話の中で気になる発言、
「私はアメリカ人で、アメリカの弁護士の資格を持っており、アメリカの方法にのっとってこの件を進めたい」
「宅配便の伝票に書いてあることなんて読めない。日本語はわからない」
「僕が君なら相手が50万円欲しいというのなら、まず一部でも払って残りの分の交渉をすると思う」
「懸命で早期の解決を望んでいる。訴訟沙汰になったらお互いお金を消費するでしょう?それはお互いの為にならない。50万で済むのだからこれで解決させましょう」
「僕はアメリカのHouse Of Congressにもいる。いろいろなセミナーにも顔を出していてその道では権威でもある」

経験則だけどこういう発言をする人は怪しい。早く解決して欲しいというのはそれだけあせっていること。何にあせっているかというと金を得ることにあせっているということ。
本当のことを言っている人は返ってあせらない。相手が正しく対応することを当然であると考え、覆るとは思わないからだと思う。
それに弁護士なら「日本語がわからない」なんていうくだらない言い訳は言って欲しくない。

とりあえずその場を去り、上部機関に報告、月曜日に法規担当に対応の仕方を聞いて返事することにした。
帰り際にエレベーターで一緒になった。
むこうが「君は何年目なの?」と聞いてきたので「2年目、ああ、今日から3年目ですね。誕生日なんです。しかも本当の」
「ああ、それはおめでとう」(外人らしくうそくさーく)
「今日はエイプリルフールですよね」とふってみたら、
「そうだね、気の利いたうそでも言えればと思うけど」
といわれたのですかさず、「そうですね、願わくばこの件がうそであればいいのですけどね。」
お客さんは怒るかと思いきや大笑いだった。

「有名だ、権威だ」と嘯いていたので会社に帰ってネットでお客様を調べてみる。あった。
でもその内容にちょっとうけた。
「○○からの債務がかさんだ為、破算」「虚偽の住所で法的申請を行った為弁護士資格剥奪」
うそつきじゃん。詐欺決定。

なんとなく勝った気分になった。これで月曜日の決戦に万全な体制で臨める。

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