東京都写真美術館

この前のマルセル・デュシャンが楽しかったので美術館にいろいろ行ってみることにしました。第2弾は東京都写真美術館http://www.syabi.com/)です。目当ての展示も無く、ただたんに夜渋谷で用事があるからという安直な理由で選びました。


この美術館は恵比寿ガーデンプレイスの一角にあります。入り口が小さくてよくわからない・・・
今日の展示は戸田正寿さんの「HEIAN」と4人の作家が花をテーマにした展示をしている「新花論」、フィルム三部作のクレア・ランガン作「フィルムトリオロジー」でした。どれもはじめての作家です。(ていうか写真家の名前なんてほとんど知らない)


さてさて。展示室は3部屋。各20枚くらいの展示でしたが、普段せっかちな自分ですが1時間半という時間制限が憎く感じられるほどじっくり見たくなるものばかりでした。

以下「HEIAN」から思ったこと。

白木と生物(魚・鳥・かえるの卵など)の組み合わせ。日本の「静」が動いて動いてどうしようもない動物を「静」の世界に取り込んで「平安」が出来上がってるような印象。とっても静か。とにかく静か。動きの無いもの。平安時代の平安ってより言葉そのものの平和、静かに近い意味の平安を感じた。戸田さん自身は写真に強いメッセージをこめていないみたいなことを書いていたけど絶対コンセプトとか強く持ってると思う。もしもっていないとしたら、その感覚がすごく新鮮。

以下「新花論」から思ったこと

花をテーマにした作品たち。4人の新鋭作家の作品が並んでいた。
一つ目はでっかい壁にでっかいバラの写真が貼ってあり、それにレースのカーテンがついていた。思わせぶりでその思わせぶりっぽさがわざとらしくて好かない。ていうか自分自身のセンスと勉強不足。
二つ目は部屋の中に鏡を貼った縦長の箱がいくつかぐるぐる回っててその物体にプロジェクターから投影されたリバーサルの写真が反射されて一緒になってぐるぐる回ってる。ちょっとやられた気分。去年あたりこういうのを造ってみようと思いつつも忙しくて断念したんです。やったもんがちですね。きれいでした。形に出来ることがなによりもすばらしいです。
三つ目はカメラオブスキュラの逆をやってみたようですが、試みとしての面白さはあるものの芸術・美術的な面白さはあまり感じませんでした。面白いんですけどね。たしかにね。
四つ目は黒をバックに花に色のライトをあててリバーサルでとったもの。とってもきれいでした。多重露光で2色の光を混ぜたり、花の色を強調するような色の光をあてたりとってもきれいです。赤崎みまさんという人でした。

以下「フィルムトリオロジー」から思ったこと

ちょー良い。こういうの作れる人マジ尊敬。赤青黄という自分の大好きな色を網羅してくれてるところも好きな理由だけどテーマの伝わり方がすごい良い。多分自然と人間、人間の力(文明)のはかなさみたいなものを表現していると思われるんだけど、ダイレクトに物が壊れたりするんじゃなくて自然が人間の文明を侵食していくような大きな力のイメージを感じさせる表現が多くて遠まわしだけど逆にわかりやすかった。色毎にテーマがあるあたりもとても好きなポイントだった。赤:火、青:水、黄:砂というそれぞれ自然の脅威として代表的なもの。ふと思ったんだけど三原色って自然から来ているのかなあ。火、水、砂(土)って原始的な地球、それこそ植物が出来る前からあったいわば地球の「原色」的な物質だし。それが混ざり合って植物の緑とか花の橙とか人の肌色とかいろいろな色になっていったんだろうな、と思ってみたりした。


というわけでいろいろ物思いにふける1時間半。ちょっと足りなかった。3時間あっても楽しめるかも。売店で売ってたLomoのカメラ(スメ8とかいうやつ)、すごい欲しい。8000円か・・・悩む。多分あまり使わないから。最近LC−A調子悪いしどうしよう。なやむ。結局いま愛用しているHolgaで何とかしていくことで自分自身を納得させました。


ちゃんちゃん(おしまい)