みんなでごろごろと地球を回した一日

「所要時間4時間19分、ネットタイム4時間15分」
河口湖日刊スポーツマラソンを無事完走、イェーイ。
ゴールの瞬間、感動より先走ったのは驚きと悔しさと充足感。
驚きはタイム。5時間くらいだろうと思っていたんだけど実際は45分も早かったなんて驚き。
悔しさは心の中では4時間をきろうと決めていたのでそれができなかった悔しさ。
充足感はもちろん完走できた充足感。


さかのぼれば10月、フルマラソンを走る覚悟を決めた12人は皇居の周りをホームにしつつ練習を開始しました。10キロ走っただけで全員ふらふら。
そこからド素人なりに研究と探求と鍛錬を続け、みんな20キロくらいは走れるように成長しました。気づけは栄養マニア。頭で走る集団か!!と思うほど。


前の日。ありがたい協力者の力を借り、ありったけの炭水化物を体に詰める。
恐ろしい量のおにぎりがあっという間に消えてゆく。あーおそろし!
みんな一つ屋根の下、お腹をいっぱいにして心を一つにして次の日に備える。
そして本番。

スタートから25キロくらいまではかなり快調!
最初はかなりおそいペースで走り始めたせいかみんなに置いてけぼりを食らった感があったもののじょじょにペースを上げていった。
途中友達に追いついたりして、ちょっと話したりするとそのたびにちょっとづつ元気になるのが自分でもわかる。
疲れたらちょっと遠くを見たりして、そうすると燃えるような河口湖の紅葉が目の前に広がっていたり富士山がやさしい光を放っていたりして癒されてみる。

フシギなもので走り始めているうちは自分の体の重みを両足で感じ、それを前に蹴りだしている感覚でいるのだけれど、走り続けているうちにそれが変わってくる。
地球儀を二本の指でもってころころ回すような感覚。二本の足で地球をごろごろと転がしているような感覚が生まれてくる。こうなるともう楽しくてしょうがない。
僕の二本足がたくさんの命をのせた地球をごろごろ転がしていく。
家族も、友達も、ふるさとも、思い出の場所もぜんぶごろごろ。
何の変哲もない二本足がなにか大きなものをあずかる二本足に見えてくる。
考えすぎなのかもしれないけど、実際考えることもなくなるくらい時間のあるフルマラソンだからこそ感じることの出来たことかもしれない。

そして最後の5キロ地点で友達が沿道で声を掛けてくれて、それがすごい励みになったなぁ。
なんていうか、つかれて声も出ないのにちゃんとしゃべれたし、力が湧いたし、絶妙な位置。応援Love☆マチガイナイ。
それからの5キロはもはや地獄でしかない。
歩く人、沿道に座ったまま動かない人、うめき声を上げながら走っている人、さまざま。
そんな中、あたたかい励ましの言葉を追い風にゴールを2本の足で手繰り寄せていく。
Finishと書かれたゴール地点の横断幕が徐々に近づいていくとこみ上げてくる嬉しさがまた一歩地面を後ろに蹴り飛ばす。最後の一瞬が一番長い、その言葉を本当に実感させられた最後の0.195キロ。
そして足につけたタイム計測用のチップがわずかな音を立て、晴れて完走することが出来た。
あれだけつらかったのにゴールした後、心の中で「次!」という声がした。


次は千葉マリンマラソンハーフマラソンにチャレンジ!
そして3月の荒川市民マラソンへ繋ぎ、4時間を切れるようにがんばります。
あー言っちゃった。
どうしよう。

なによりも、12人の一緒に走った仲間、走らないのに一緒に来てくれて助けてくれた人、車貸してくれた人、そしてがんばれーといってくれた人、全ての力があって初めて出来た「完走」の二文字。
ありがとう。