さよならひょうたん島

C_Wang19802005-09-05

島のおばあちゃんの話。
「あのさ、孫がおばあちゃん、きいろいちょうちょ、きいろいちょうちょ、っていうんだ。あらめずらしいっていうけどあれはね、台風で小笠原から飛んできたんだって。いつもつがいでとんでるんだ。絶対に離れないんだ。」
このおばあちゃん、話を聞くと小笠原出身らしい。
戦時中、1940年ごろの話。
小笠原諸島が海軍の要塞になったとき。多くの父島の島民が島を離れほうぼうへ移住したらしい。
また、八丈島から小笠原諸島へ軍隊の仕事でわたり、結局帰らなかった人もたくさんいるらしい。
そんな悲しい歴史を持つ島、小笠原。
今でも一年に一度、慰霊のために小笠原へむけて八丈島から船が出る。
60年たった今でもその船で200人弱が小笠原へ行くという。


おばあちゃんがちょうちょの話をしきりにするのを聞いていると、だんだんおばあちゃんとちょうちょがかぶって見えてくるようになってきた。
自分の意思とは別に飛ばされて、それでもたくましく楽しく生きてみせるちょうちょの姿。


これ以上「ちょうちょ」が増えないようにしていかないといけないんだろうな、とおもった。