埋め立てられた夏休み [思い出]

かなり久しぶりに家族で車で出かけた。
行き先は杉田のアウトレット+野毛。
目的は弟の買い物と8月1日の家パーティーの買出し。


車でうろうろしながら杉田のベイサイトマリーナへ向かう。
このあたりは昔、僕が生まれたての頃洋光台に住んでいたこともあって、母親にとっては懐かしい場所。道すがらここはこんなところで、あんなところで、といろいろ話をし始めた。
やがて富岡、という場所についた。
うれしそうに昔の思い出を話し始めた。
母「あたしがちいさいころここにパラソルもっておばあちゃんと良くきたわ〜。いえから水着着て。なつかし〜。」
僕「へぇ〜」
母「スイカとか途中で買っていったり、かえりにいつもワタリガニをバケツいっぱい買ってった。スイカ買いすぎて車、動かなくなっちゃったこともあるのよ。」
僕「いいなぁ。でもそういうとこ、この辺で最近無いよねぇ。」
母「あれっ」


富岡町という交差点に差し掛かった時、母はびっくりした様子であたりの景色を見ていた。そして一言。
母「あーら、なんにもなくなっちゃった・・・」
そう、かつて富岡海岸という漁師町だったこのあたりいったいは今や団地になってしまっていた。
海も、濱も、ワタリガニも、スイカもなにも無くなって、母の夏休みは全部埋め立てられていた。


けっこうおしゃれーな施設が出来たりしているけど、正直どうなのかな?と思う。
こぎれいな外国風の建物郡、、、別によいんだけどこれってすごい短い間しかもたない「良さ」だと思う。
年を経るごとに育って行く自然に対して年を経るごとに時代遅れになっていく建物たち。もっと自然と共生することを考えれば町の美しさって長持ちするんじゃなかろうか。だって日本の町並みって正直あんまり綺麗じゃないし。
戻せとは言わない、でも今ある自然を大切にして欲しいと思った。これ以上夏休みが埋め立てられないように。