痕跡〜戦後美術における身体と思考〜@東京国立近代美術館

C_Wang19802005-02-22


行きたいと思ってた展覧会のチケットを友人がくれたので行ってきました。朝青君ありがとう。
気になった作品を以下に

Willem De Kooning『水』

色の淡さが水の透明感みたい。淡い色といっても日本人の環境に溶け込む淡さとは違いかなり主体性のあるヨーロッパっぽい淡さ

嶋本昭三『1961-1』

絵の具瓶を投げ付けたあとが定着した絵。バチャーンガチャーンという音が聞こえてきそう。瓶の破片まで附いている

イヴ クライン『人体測定』

青インキの女体拓。エロくなくきれい。出目金みたい。(胸が目玉みたいな…)
向井修二『記号化された賞状』
高校のとき友達がこれを模写するといってたのが懐かしい。今見るとすごくコンセプトありきな芸術にみえます

山崎 つる子『作品』1958

カンディンスキーみたい。でもどこか和風
背景がクリーム色みたいな白系の中間色で書いてある線が黒や青が多く時々アクセントに原色が配置されてるので全体で見るとカラフルだけど基本は地味。

榎倉 康二『二つのしみ』

全く同じしみがふたつ。それが驚き

マリーナ・アブラモヴィッチ『リレーション・イン・ムーブメント』

車で延々と同じとこを回り、次第に漏れたオイルで地面にぼんやりした円形が描かれていくのを写真に撮ったもの。ユーモアがあって素敵。

北辻 良央『作品』1971

地図をトレーシングペーパーで写し、それをまたトレーシングペーパーで写し、を五回繰り返すと最初ぴちっとしていた線がよたよたになっていく。人力フィルター

野村 仁『ヒアリング』

聞く、見る、などの普段の行動をあえて分離して意識させる試み。風景の写真を撮る、その様子を電話でかなり細かく誰かに伝え、録音してもらう。対象と時間は同じでも二つの感覚が分かれているわけだから面白いと思う


総じて100%理解は出来ないものばかりだった。どちらかというと作家それぞれの考え方が明確なものほど奇抜だったりしたけどこれはすなわちひとの頭の中を具体化したものだと思った。
それにしても現代アートは無題が多い。コンセプチュアルなのはいいけどタイトルまでもが作品なんだと思うし少し逃げを感じます。

芸術=魂の具体化なのかな?と思ってみたりした


[写真]上野の東京現代美術館。曇り空と寒空と旗の無い棹。寂しさ全開 HOLGA F8 1/100 IlfordDeltaISO400